中小企業にとって、人材の確保は事業経営を支える大きな要因の一つです。とはいえ、常に採用に関して頭を悩ませている企業は多く、「どうしたら優秀な人材を採用できるか」というのは企業が抱える永遠の課題。

採用活動に注力できるリソースや予算を大企業のように大胆にかけることが難しい中小企業の期待を集めるのが、LINEやInstagram、Twitter、FacebookといったSNSの活用です。

この記事では、採用活動においてSNSの活用が急激に増えている現状を踏まえて、SNSを使った採用活動のメリットとデメリット、各SNSサービスの特徴と活用に適している企業のタイプや発信すべきコンテンツ、中小企業ならではのSNSを活用した採用活動の事例と成功のポイントについて解説します。

Contents

採用ツールとして注目されはじめたSNS

中小企業の採用活動とSNSの関係性について見ていく前に、なぜSNSが採用活動に有効なのかについて見てみましょう。

中小企業の採用活動の状況は事業に影響しやすい

株式会社日本政策金融公庫総合研究所が2019年12月に発表した『2020年の中小企業の景況見通し』によれば、中小企業が2020年に経営基盤の強化に向けて注力したいと考えている分野として、「人材の確保・育成」を挙げた企業は64.4%にのぼっています。

これは「営業・販売力の強化」に次いで高い数値で、2017年の調査と比較すると1.6ポイント増、2018年の調査と比較すると0.2ポイント増と徐々に増えていることが分かります。

経営状態を上向きにしていくためには、営業力や販売力の強化に次いで人材の確保や育成が重要だと考えている中小企業が多いのです。

※『2020年の中小企業の景況見通し~「中小企業景況調査」(2019年11月)の付帯調査結果~』(株式会社日本政策金融公庫総合研究所)https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/c3_1912.pdf

優秀な人材を採用したいのはどの企業においても本音

事業を少しでも改善するために、優秀な人材を採用したいところですが、必ずしも候補者との思惑が一致するとは限りません。

新卒学生は事業規模や給与、福利厚生といった面から大企業への就職をめざす傾向が強いからです。中小企業の大半は大企業ほど知名度が高くありませんから、まず候補者に自社への関心を持ってもらうというステップが必要になります。

しかし、1人でも多くの候補者に採用試験を受けてもらいたいと思っても、中小企業は大企業のように潤沢な予算を採用活動にかけられません。人材の採用状況が大企業以上に事業へ直接影響しやすいだけに、人材の採用や確保において工夫が必要です。

関連記事:良い人を採用する絶好のチャンス到来!「採用難」の今だからできる採用活動の見直し

SNSが採用活動に有効なツールとなる理由

中小企業が人材の採用や確保を進めるには、守りではなく攻めの採用活動が求められます。積極的に候補者との接点を持ち、自社がどういった企業なのかを知ってもらうためにも避けて通れないのがSNSの活用です。

ではなぜ採用活動にSNSを活用するのが有効なのか、主な理由を3つ挙げます。

理由1 スマホの普及率

候補者の年代におけるスマートフォン普及率が非常に高いことは説明不要ですね。

内閣府の消費動向調査のスマートフォン普及率を見ると、29歳以下の単身世帯で97.8%、30代の単身世帯で97%とかなり高い普及率であることが分かります。

スマートフォンは従来の携帯電話と比べると圧倒的にインターネットへの接続がしやすく、ニュースや企業のホームページなどを閲覧する時間が増えやすいため、採用活動にも影響を与えると言えます。

理由2 SNSの利用者が大半

候補者自身がSNSの利用に積極的であり、ほとんどの場合なにかしらのサービスを利用している。

SNSが身近な存在となり、新たなコミュニケーションツールとしてSNSを駆使する人が増えているのです。

SNSを活用している候補者との接点を増やすには、企業側もSNSを武器にしてコミュニケーションを図るのが大きなチャンスとなります。

理由3 価値観の変化

仕事に邁進するのが社会人の役目という従来の価値観とは異なり、現代の若者は「自分らしく生きたい」「体を壊すまで働きたくない」という価値観が多勢を占めています。

給与が高くても残業や休日出勤が頻繁にある働き方よりは、給与が少なめでも定時に退社して自分の時間を確保できる働き方を選ぶ人が増える傾向が強いです。

しかも働き方そのものが多様化していますから、給与や休日の多さといった労働条件の良し悪しだけでは候補者は動きません。

求人サイトや就職エージェントに登録すらしない候補者も増えているだけに、直接やりとりができるSNSを活用しダイレクトにアクセスするのが採用活動の質を上げることにつながるのです。

SNSを採用活動ツールとして活用するメリットとデメリット

SNSが人材採用活動の有効なツールとなる可能性が高いのは、SNSが若者の日常に深く入り込んでいることが大きいです。

ひと昔前は電話やメール、ファックスなど複数の手段でアプローチをしていましたが、現在は採用する側とされる側の接点の窓口がSNSにとって代わっているケースも珍しくありません。

ソーシャルリクルーティング

SNSを使った採用活動は、近年の採用活動において急激に広がってきている方法で「ソーシャルリクルーティング」と呼ばれます。

自社にマッチしている人材に直接アプローチするダイレクトリクルーティングと混同されがちですが、ソーシャルリクルーティングは候補者に対して直接的なアプローチはせず、あくまでも「待ち」の姿勢を保ちつつ、企業側からの発信は積極的に行って自社の魅力をアピールすることで関心を持ってもらう方法です。

SNSを活用したソーシャルリクルーティングをこれから始める前に、どのようなメリットとデメリットがあるのかをまず把握しておきましょう。

SNSを活用するメリット

利用者数が多い

国内で若年層が頻繁に利用しているSNSの代表格はLINEやInstagramで、その他にTwitterやFacebookなどが知られています。20代にとってはSNSを日常的に利用するのは生活の一部としてなじんだ行為で、就職活動においても企業へのアプローチやスカウトを受ける手段として最大限に活用しています。

無料で利用できる

先ほど挙げたSNSはいずれも無料で登録し利用できますので、採用活動がしやすいと言えるでしょう。簡単な登録作業をするだけですぐに採用活動を始められますから、時間も費用も縮小できる手軽な方法と言えます。

若年層へアプローチしやすい

従来は、合同会社説明会や単独の説明会を数回開催し、集まってきた候補者にアプローチするという方法が一般的でしたが、説明会で思うように候補者が集まらないという問題がありました。しかしSNSを利用すれば、気になる候補者に直接アプローチできます。

情報の拡散効果が高い

候補者はSNSを通して仲間うちでさまざまな情報収集をし、また共有をしています。以前のように採用活動の為に膨大な広告費をかけなくても、自社の社内風景や社員の声といったリアルな現状をSNSを通してアピールできるため、多くの候補者に関心を持ってもらいやすく、仲間うちで情報を拡散してもらえる効果もあります。

候補者とのマッチングの機会が増やせる

求人広告の情報は、自社にもともと関心を持っている候補者には届きやすい一方で、関心が薄い候補者には届きにくいです。また、会社説明会は大都市圏での開催回数が多いため、都心に住む候補者が参加しやすい反面地方在住の候補者との接点は持ちにくいという特徴があります。ソーシャルリクルーティングの場合、SNSを介して情報発信や候補者とのやり取りを行うため、地方在住者などリアルでは接点を持ちにくい候補者とのマッチングの機会が増やせますし、地方の優秀な人材を発掘できる可能性も高まります。

双方のミスマッチが減らせる

候補者はSNSにさまざまな投稿をしています。日常の姿や思考の傾向、仕事への価値観などは短時間の面接だけでは分かりにくいですが、SNSでの発信を見ることで候補者の人間性や考え方をつかんだり、求める人材に近い人物像かどうかが判断しやすいです。逆に候補者側も、気になっている企業の社内の雰囲気や社員のリアルな声を知ることができます。ミスマッチが起こりにくくなれば内定辞退や早期退職の抑制にもつながるでしょう。

SNSを活用するデメリット

投稿の意図とは異なる解釈をされる可能性がある

SNSでの投稿に対して、閲覧した人すべてが好意的とは限りません。意図しない解釈をされて低評価を多くつけられたり、社内では普通の考え方が批判され悪い情報として広がったりして、いわゆる「炎上」状態になる可能性は常にあります。表現方法や画像の選定などには十分注意し、複数の担当者がチェックするなど慎重な対応が不可欠です。

SNS更新の手間と時間がかかる

SNSは、ホームページとは違って情報が常に更新できる反面、次から次へと情報が流されていくという特徴があります。SNSでの情報収集に慣れている若年層は、ワード検索やタグ検索でヒットした情報の中から気になる情報を追いかける一方で、興味を引かない情報は流してしまう傾向が強いです。業界や企業のさまざまな情報、業績、実際に働いている社員の声など候補者に読まれるコンテンツを定期的に投稿し、候補者に関心を持ち続けてもらうことが大切ですから、投稿の質を維持するための時間や手間がかかります。

レスポンスは迅速に行う必要がある

SNSで採用活動を行うと、コメントやリツイートといった形で投稿への反応がダイレクトに分かります。情報を発信した後の反応にタイムラグがある求人広告とはこの点が大きく違います。若年層は気になる情報に対してその場でコメントやリツイートをすることが習慣づいていますから、企業側もレスポンスを素早く行うことが求められます。レスポンスが遅いとかえって評価を落とす危険性があることを念頭に置いておかなければいけません。

各SNSの特徴を把握した採用活動が成否を分ける!

業種や社風、欲しい人材像など、アプローチしたい候補者のタイプは企業によってさまざまです。

国内で広く普及している4つのSNSに注目して、それぞれの利用者層や特徴、ソーシャルリクルーティングのツールとして利用するのに適している企業について紹介します。

とにかく多くの候補者にアプローチしたい:LINE

国内で利用されているSNSの中でもっとも登録者数が多く、全年代においてトップの利用率を誇るのがLINEです。コミュニケーションツールとしてすぐれた機能が多く、LINE公式アカウントに登録するだけでオフィシャルな発信がスタートできる手軽さが魅力です。

一度に1000通まで無料でメッセージを送信できる、タイムラインを使ってユーザー限定の情報発信ができるといった機能があります。採用予定数が多い企業や、新卒に限らず第二新卒採用や中途採用も視野に入れている企業に適しています。

スピーディーに情報を拡散させたい:Twitter

若年層の利用者が多く、話題性のある情報が常に新しく更新され続けるTwitterは、情報の拡散力が他のSNSよりも圧倒的に強いです。140字という字数制限があるため、伝えたいメッセージをコンパクトに表現する必要があり、短文を好む若年層にアプローチしやすいです。

画像や動画をシェアできる、ホームページとは異なる親しみやすい投稿で話題性を高めるといった効果があり、若年層を中心とした採用を考えている企業や、まずは自社のファンになってもらうことで将来の採用候補者を増やしたい企業に適しています。

視覚的な訴求で自社の魅力を伝えたい:Instagram

他のSNSに比べると女性の利用率が高いInstagramは、画像や動画で視覚的なインパクトを与える投稿がしやすいのが特徴です。投稿内容のキーワードにハッシュタグをつけて公開することで、タグ検索により新しいファンを獲得できる確率が高くなります。

画像や動画だけでなく文字も2200字まで入力できるため、投稿したい内容によって表現方法をアレンジしやすいです。女性の候補者により積極的にアプローチしたい企業や、デザイン系など自社の魅力を視覚的にアピールしたい企業に適しています。

キャリアのある候補者とつながりたい:Facebook

30代以上の利用者が多いFacebookは、実名登録制のためアプローチしたい相手の正しい情報が把握しやすいのが特徴です。法人専用のアカウントを登録し、Facebookページを作成するとさまざまな情報発信ができます。

登録者限定投稿など投稿範囲を選択できる、年代や学歴、地域などを絞り込んで広告を出せるといった機能があります。キャリアのある人材を採用したい企業や、採用したい属性を絞り込んでコミュニケーションをとりたい企業に適しています。

ソーシャルリクルーティングで発信すべきコンテンツとは?

拡散性が高く、候補者のレスポンスが把握しやすいSNSを使ったソーシャルリクルーティングにおいて、採用したい人材に注目してもらうためには発信する内容をよく検討することが重要です。候補者は企業のリアルな様子を知りたがっているので、求人広告やホームページとは違って距離感を縮めるような投稿が効果的です。

採用アンマッチ率が軽減

「この会社で働きたい」「採用試験を受けてみたい」と感じるような投稿を続けると、ミスマッチの抑制にもつながるでしょう。

おすすめしたいコンテンツは、仕事風景の公開です。

社員が働いている様子やオフィス内の雰囲気の一端を垣間見せることで、候補者に入社後の雰囲気を疑似体験してもらえる効果があります。プロダクト開発やプロジェクト企画に関する秘話・進捗状況を差し支えない範囲で紹介するコンテンツも、候補者の関心を集めやすいと言えます。

採用に関するコンテンツとしては、採用担当者や役職者、社員などのインタビューを投稿すると、企業側のリアルな声を伝える効果が高いでしょう。採用時に注目しているポイントや、面接で好感が持てるポイントなどを採用担当者が短く紹介するコンテンツは候補者が参考にしやすいので人気を集めやすいです。

固く真面目な話題の中に、ふっと肩の力が抜けるコンテンツをバランスよく混ぜるのもおすすめです。社内イベントや社員旅行、社内の部活動などの様子を紹介するコンテンツは、候補者が親近感を感じてくれる効果があります。

ソーシャルリクルーティングの効果的な事例

これからソーシャルリクルーティングを始めたいと思っている企業にとって、すでにソーシャルリクルーティングを実践している企業の事例を知ることは、自社ならではの採用活動を進める上でヒントになります。SNS別に実際の運用事例を見ていきましょう。

LINEの導入事例

名刺管理ソフトの開発を行うSansanは、LINE@にて新卒採用に関する情報発信を行っています。通年にわたって投稿を続けているのが特徴で、採用イベントや公式ブログ更新といった投稿によっていつでも候補者への門戸を開いているという印象を与えることに成功しています。

https://page.line.me/aqz2718v

LINEの一斉送信サービス機能を上手に活用してソーシャルリクルーティングを行っているのは城北信用金庫です。他のSNSと比べるとLINEは比較的手軽なイメージがあるため、印象の低下を不安視する候補者は少なくありませんが、友達登録の有無が採用選考に影響しないことを明示しているなど候補者に親しみやすさを感じさせる配慮がされています。

https://www.shinkin.co.jp/johoku/recruit/terms/line.html

Twitterの導入事例

採用者が前面に出て、面接や職務経歴書などについて解説する採用アカウントを10年前から運用しているのが日本オラクルです。140字という制限の中で、就職活動の成功のポイントをコンパクトに伝える投稿をこまめに行っています。会社説明会や募集職種の紹介など実用的な内容の投稿で統一していて、候補者が欲しい情報を分かりやすく伝えていると言えます。

https://twitter.com/Oracle_JP_Saiyo?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1150916789892599809%7Ctwgr%5E&ref_url=https%3A%2F%2Fen-gage.net%2Fcontent%2Fwhat-is-social-recruiting

開放的な社風が人気のサイボウズも、採用専用のTwitterアカウントを運用しています。採用関連のイベントや募集している職種、社員の日常を紹介したり就職活動中の学生からの疑問に答えたりとバリエーションに富んだ投稿が多く、企業の魅力のアピール効果は抜群と言えるでしょう。

Instagramの導入事例

新卒専用のInstagramを開設し、候補者に効果的なアピールをしているのが三井住友カードです。内定者1人1人にスポットを当て、自社を希望した理由や就職活動時に心がけていたことなどをインタビューした投稿や、会議・ランチ・部活等の社内の様子を画像や動画で紹介しています。社内の雰囲気が伝わりやすく、「この中の一員になりたい」と思わせる明るさが魅力的です。

https://www.instagram.com/smcc_recruit/

同じくInstagram上で採用専用アカウントを解説しているヒルトン東京は、ホテルという職場の舞台裏や社内コミュニティを紹介するコンテンツを投稿しています。「ヒルトン東京の労働環境は?」「ヒルトン東京を3つの言葉で表して」など、さまざまなポジションの社員にユニークなインタビューをしている様子が動画で紹介されているコンテンツもあり、入社後のイメージのずれが起こりにくい配慮が感じられます。

https://www.instagram.com/insidehiltontokyo/

Facebookの導入事例

Facebookを使った効果的なソーシャルリクルーティングを行っている企業の代表格はスターバックスでしょう。スターバックスは公式のFacebookページと採用専用のFacebookページとを分けて運用しており、世界各国のパートナー(スタッフ)や店内のディスプレイを画像や動画で紹介しています。スターバックスをより身近な存在と候補者に感じてもらいたい意図がしっかり伝わる投稿内容が印象的です。

https://www.instagram.com/smcc_recruit/

新卒学生の人気就職先として例年名前が上がるNTTドコモも、新卒採用専用のFacebookページを運用しています。採用情報や社内の仕事紹介のほか、育休社員や上司と若手社員のクロストークといった候補者の関心を集めそうなコンテンツがあり、企業の社風が把握しやすい内容になっています。

https://www.instagram.com/smcc_recruit/

中小企業がソーシャルリクルーティングを成功させるためのポイントとは

SNSの広がりによってソーシャルリクルーティングを重視し始める企業は年々増えています。大手企業だけでなく、中小企業も多くが導入を検討しているでしょう。

ただし、先ほど紹介した導入事例のように、現在ソーシャルリクルーティングを実践している企業のほとんどは大手企業です。大手企業は採用活動への予算や人員に余裕があり、自社に関心を寄せる候補者も多いためソーシャルリクルーティングを軌道に乗せやすいと言えますが、さまざまな面で条件が違う中小企業の場合、大手企業と同じ方法をそのまま取り入れても結果が出るとは限りません。

中小企業が、限られた予算と人員で、できるだけ時間や労力をかけずにソーシャルリクルーティングを効果的に進めるためのポイントを3つ挙げてみます。

採用担当者を定着させる

SNSはコストをかけず手軽にアカウントを開設できる、一度で多くの候補者に情報発信ができるといったメリットがある一方で、悪意を持った何者かによってなりすましの被害に遭う、投稿内容が期せずして炎上するといったSNSならではのリスクも抱えます。

企業の公式アカウントだけに、こうしたリスクが起こった時に迅速かつ誠意をもって対処しないと、さらにトラブルが大きくなって企業としての信用を傷つけることにもなりかねません。

ソーシャルリクルーティングをより効果的に運用するには、普段から双方向のコミュニケーションツールであるSNSの取扱いに慣れている、個人情報の取扱いに長けている、SNSマーケティングの知識があるといった要素を持つ社員を専任担当者として配置するといいでしょう。

ソーシャルリクルーティングのターゲットと運用ルールを明確にする

より自社に適した人材との出会いの機会を増やすために行うのがソーシャルリクルーティングなので、意図を持った投稿を重ねることが大切です。まずはどのような人材を必要としているのかを改めて確認し、そのターゲット層に関心を持ってもらえるようなコンテンツを考える必要があります。

たとえばキャリア採用を考えているのにSNSには若い社員のインタビューを中心に投稿するといった運用方針だと、若年層の候補者が集まる結果になりやすく欲しい人材からのレスポンスが思うように得られません。自社に注目してほしい人材像をしっかり固めた上で、コンテンツテーマや更新頻度、SNSの使い分け、運用方針などを確定して運用しましょう。

コンプライアンスを意識する

SNSを通して企業アピールや候補者とのコミュニケーションを優先するあまり、一般的な価値観から外れた表現や説明をしてしまったという失敗は時々見られます。コンプライアンス違反の投稿をたった一度行っただけでも、炎上して取り返しがつかなくなり企業としての信用や評価を大きく下げてしまう事態になりかねません。

企業として情報を発信している以上、投稿の内容や表現などには十分配慮しながら運用する姿勢が求められます。

SNSに頼りすぎない!ソーシャルリクルーティングとの組み合わせで相乗効果を狙うには

若年層を中心に高い普及率を誇る各SNSは、今後もますます就職活動を行う候補者の間で活用されていくことが予想されます。従来の採用活動よりも迅速にコミュニケーションが取れて互いの姿を把握しやすいだけに、ミスマッチ率を下げる効果が期待できるでしょう。

しかしソーシャルリクルーティングを導入する上で留意しておかなければいけないのは、SNSが万能ではないという点です。SNSはリアルタイムな情報を拡散させるのは得意な反面、永続的な情報を拡散・共有させるのは不得意だからです。

更新頻度が低いと情報発信に消極的だという印象を与えやすいですし、かといって更新頻度が高いと情報の陳腐化も早くなります。SNS単体での採用活動ではなく、他の方法と組み合わせて自社に適した人材とマッチングしていくことが重要です。

公式ホームページと組み合わせる

公式ホームページは、企業理念や沿革、事業内容といった企業として軸となる情報を表示できる媒体です。どういった企業なのか、どんな人材が所属し活躍しているのかをアピールできます。採用活動の開始や動き、社内イベントのレポートなどはSNSに、企業理念や採用方針といった採用活動の軸となる情報は公式ホームページに掲載して相互活用するのがおすすめです。

求人サイトと組み合わせる

ソーシャルリクルーティングは、SNSの定期的な運用があって成り立つ方法です。投稿したさまざまなコンテンツにコメントがついたり、登録者が増えていったりすることで情報の拡散も促され注目度が上がるため、効果を体感するまで時間がかかります。求人サイトで求人内容を紹介しつつ運用しているSNSを宣伝し、SNSではリアルタイムの情報を更新し続けることで候補者の関心を引きつけるようにするといいでしょう。

ハローワークと組み合わせる

採用したい人材を探す上で、候補者を新卒だけでなく第二新卒やキャリアにも広げたいなら、ハローワークと組み合わせるのもひとつの方法です。求人サイトに掲載されていない地元企業への就職を考えている候補者は、ハローワークの求人票を閲覧している可能性がありますから、ソーシャルリクルーティングや求人サイトとは違う人材とマッチングできるかもしれません。

地方の合同会社説明会と組み合わせる

地元企業への就職を考えている候補者にとって、大都市圏に集中している傾向が強いSNSの情報は必ずしも有益とは限りません。一方地元の優秀な学生を採用したいという地方企業も多いですから、オフラインである合同会社説明会で自社をアピールしつつオンラインであるSNSでコミュニケーションの深化を図る方法が相乗効果を生む場合があります。

まとめ

SNSを活用し採用活動を行うソーシャルリクルーティングを効果的に実践できているのは、大企業が中心であるのが現状です。しかしSNSの普及率や情報拡散力を考えると、今後ソーシャルリクルーティングはますます広がっていくと見られており、中小企業にとっても採用戦略を立てる上で重要な手法になっていくことは間違いありません。

ソーシャルリクルーティングと一言で言っても、利用するSNSや他の方法との組み合わせなどによって効果や集まる候補者の傾向は異なります。自社のイメージや採用したい人材像に合ったソーシャルリクルーティングを進めることが、成功の近道と言えるでしょう。